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仏の世界と現世が最も近い日

彼岸とは、サンスクリット語の「波羅蜜多」からきたといわれており、現世を「此岸」と呼び、悟りやねはんの境地を「彼岸」といいます。太陽が真西に沈む春分の日(秋分の日)は、仏の世界と現世が最も近い日で、通じ合える日とされました。この日に先祖を供養すると、魂が迷わず極楽浄土に行けると考えられたのです。「春の彼岸」と「秋の彼岸」があり、前後7日間で中の日を春分の日・秋分の日といい、初日と最後の日をそれぞれ「彼岸の入り」「彼岸明け」といいます。春分の日と秋分の日は昼と夜の時間が同じで、季節の変わり目でもあります。彼岸には各家庭でお墓参りをするのが習慣です。家の仏壇は団子・お萩などを供えて祖先の供養をし、お寺では法要や僧侶の法話、施餓鬼(弔う者のない死者の霊などに供え物をして経を読むこと)なども行われます。この日に仏前や墓前に供えたり、近所におすそ分けする「牡丹餅(ぼたもち)」は、春を「牡丹」の花にたとえて丸く大きめにつくり、「お萩」は七草の萩の花にたとえて小ぶりで長めに丸めます。「墓参り」は、お墓のまわりを掃除し、墓石に水をかけて洗います。掃除が終わったらもう一度墓石に水をかけ、線香・花などを供えます。礼拝はお墓に向かい、一例してしゃがんで合唱。再び立ち上がり、一礼して下がります。順番は故人とのつながりの深い人から、年長者から行います。「社日」は、春分・秋分の日に最も近い戊(つちのえ)の日です。社(やしろ)は土地の神様を祀るところで、春は稲の生育を祈り、秋は収穫を感謝する祭りを行います。田の神が春に山から下りてきて稲の生育を見守り、秋の収穫が終わると山へ帰るといわれています。農耕民族の日本人が、仏教行事だけではなく太陽をあがめ神に豊作を祈り、祖先にもお願いするという日本独自の多神教の神仏習合の例だといえます。

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